あの頃の贅沢、今の贅沢。
僕は子供の頃
欲しいものはお年玉や誕生日、お小遣いで大体手に入れていた。
親もリビングのテレビに繋ぐゲームや本や服には寛容だった。
だがウチは少し変わっていて
買った後自分の部屋などで独占する物は自分のお年玉等で買うのも嫌がられた
父は自分の部屋よりも他の部屋がハイテクなのをとても嫌がる
三階建てで天窓もある僕の部屋は、死ぬほど暑い。
どれくらい暑いかというと、自分の部屋から出る時ドアノブが直射日光に晒され暑い
吸う空気がサウナみたいに暑い。
僕は虫が嫌いなので窓は開けっぱなしにしない。
父は冷房も扇風機も使わず一日中窓を開けている。
でも陽の当たらない部屋だからそもそも暑く無いのだ。
僕は一度温度計で部屋の温度を測ったことがある
結果は45℃、、、いやいや本当に死ぬって。
友達が泊まりにきたら今は聞き慣れたが忍耐時代は軽く扱われていた
熱中症のようになり遊ばず直帰。
僕の部屋にエアコンが来たのは20歳を超えてから。
エアコンも効きにくい程暑い部屋、よく生きてたなあ。
テレビだって両親にとっては贅沢品の代名詞なので全然買ってもらえず
親戚が家にくれた小さい液晶テレビを観たい番組の時に借りて持っていく
電波が悪く、全然見れなかった。
その頃母は白黒テレビを使っていた
唯一リビングにだけ今で言う27インチくらいのブラウン管テレビがあった。
ゲームももちろんそこ専用。
僕がテレビを初めて手に入れたのは高校生
しかもテレビデオ。
14inchくらい。
今のノートパソコンよりも小さい、、、。
一番びっくりしたのは家族で行ったリサイクルショップ
タウンアンドカントリー(T&C)の腕時計
1500円位。
これ欲しいなーと言ってみると
父が
「一生使うなら買ってやる」という衝撃的な一言
これには衝撃を受けました。
え?逆に社会人になっても息子がT&Cつけててもいいの?
(ディスってるわけではありません)
でも思えば物がなくても幸せだと感じている世代と
冷房やテレビがどこにも当たり前のようにある世代では
考え方が違うのは仕方がないですね。
だからこそ父は不自由を楽しめる人に育てたかったのかもしれません。
それに自分たちにはお金をかけず、子供の為、そのまた子供の為に
貯蓄している両親を僕は尊敬します。
あの頃はたまの休みの父とテレビでターミネーターを観たり
みんなで晩御飯を食べてギリギリまでリビングで家族の時間を過ごしていましたが
現在は実家を出ていますが妻とも食事中少し話してあとは一人の時間のようになっています
たまに実家に帰ると両親がフィギュアスケートを二人で見て
凄いとか、頑張れとか応援している姿
親戚からの電話で嬉しそうに思いやる姿
あー、僕はいつから失くしちゃったんだろう。